最近買ったCD(1997-1999) 00/05/13更新
- ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ全集」
バーナード・ロバーツ(p),Nimbus
渋谷のタワーレコードで何と3390円のベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集を見つけた。かのバックハウスの全集も8000円程度で買えるようになり、だいぶ手の届きやすい値段になったと思っていたら、その半分以下、11枚組でこの値段である。1枚あたり300円ほどだ。激安! レーベルもニンバスという中堅レコードメーカーであるし、デジタル録音である。
演奏もごく正攻法で、変に癖がなく、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ入門には打ってつけである。録音も悪くない。ということでお薦め。ただし今は売り切れている可能性もあるので、ご確認ください。(97/1/16)(タワーレコードでは最近ほぼ常時在庫しているところもありますよー。00/5/13)
- ブルックナー「交響曲第8番」(第2〜4楽章)
カラヤン指揮プロイセン国立ベルリン歌劇場管弦楽団
1944年、第2次大戦中の録音。第1楽章は欠落。第2・3楽章はモノラル録音。そして何と第4楽章はステレオ録音。1944年ですよ、これ。ステレオ録音が本格化する10年以上前ですが、音は信じられないくらいよく録れています(多少の傷はありますが)。
そして何といっても演奏がすばらしい。特に第3・4楽章。若干36歳にして、この大曲を完全にものにしているあたり、フルトヴェングラーと張り合ったのも十分うなずけます。彼は後に3回この曲を録音していますが、この演奏には後年に見られる音を磨くことへの執念よりも、熱い感情の露出があります。オケのうまさも特筆ものであり、もし第1楽章が残っていれば間違いなく名盤の仲間入りをしているはずです。一聴の価値あり。HMV渋谷にて990円で購入。(97/9/19)
- チャイコフスキー「交響曲第6番」"悲愴"
フリッチャイ指揮ベルリン放送交響楽団(1959)
Grammophon,
POCG-1957(中古/\700)
探していたフリッチャイの悲愴をたった700円で手に入れることができた。最近の中ではもっともうれしい買い物でした。久しぶりに聴いてみて、やはりすごい演奏だということを実感。まず録音のよさ!1959年でこれですよ。そしてもちろん演奏。この曲が交響曲史上に残る名作であることをまざまざと思い知らされます。演奏は奇をてらったところなどは全くありませんが、曲への共感が尋常でなく、その透徹した音楽には思わず襟を正したくなります。オーケストラもすこぶる巧く、フリッチャイと一心同体になっています。これまでこの曲に持っていた印象が変わるといってもいいほど。もうこのCDは手放せませんな。
なお、本CDは国内盤のみの発売と記憶しています。また、フリッチャイにはモノラル時代に録音した悲愴もあるので注意。(こちらは未聴なんですが)(98/12/26)
- ブルックナー「交響曲第8番」
ベイヌム指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団(1955)
Philips, 442 730-2(中古/\1100)
「ベイヌムのブル8はよい」という話を聞いていたので、ちょっと高かったが買ってしまった。全体的に相当の快速の演奏(全曲で約72分)であるが、中身は非常に充実している。特に第2楽章以降がよく、どこをとっても音楽が生き生きしており、まったく退屈させない。第4楽章冒頭の小気味よいテンポの付け方、そしてコーダのアッチェレランドなど、まったくすばらしい。これでステレオ録音であったなら文句なしだが。ベイヌムはこの録音から約4年後に58歳の若さで亡くなっている。長生きしたらどんな録音を残してくれただろうか、なんてことを考えてしまう。(99/1/17)
- ドヴォルザーク「ピアノ三重奏曲第3番・第4番"ドゥムキー"」
ヨアヒム三重奏団(1996)
NAXOS, 8.550444(新品/\890)
少し前に新宿のHMVで試聴し、これはよいと思った(だが買ったのは別の店)。お店のタグにも書いてあったけど、ドヴォルザークは本当にメロディメーカーだったことを認識した。わたしは"ドゥムキー"さえ知らなかったが、その"ドゥムキー"ももちろん、第3番の何という美しさ。第3楽章など、映画音楽のように聞こえるところもありました。
そして演奏と録音がとてもいい。3人とも若手の奏者のようですが、いわゆる洗練された演奏とは違い、一昔前のややロマンティックな演奏。それがこの曲とよくマッチしています。録音もとてもうまく録れており、思わず何度も聴きたくなってしまうCDです。これが廉価盤なんですからほんとうにうれしい限り。(99/3/12)
- リムスキー・コルサコフ 交響組曲「シェエラザード」
グリンカ「ルスランとリュドミラ」序曲
ロリス・チェクナヴォリアン指揮ロンドン交響楽団(1979)
VARESE SARABANDE, VCD 47208(中古/¥350)
VARESE SARABANDEという見たことのないレーベルだったが、指揮がチェクナヴォリアン(彼がアルメニア・フィルを振ったハチャトゥリャンの「ガイーヌ」はいいですね)、値段も安かったので衝動買い。録音データもあり、CDの製作は日本ビクターで、ちゃんとした(海賊版ではないという意味で)CDである。
序奏に続くヴァイオリン(Ardittiとある)が弱々しいのが残念だが、チェクナヴォリアンの指揮は悪くない。しかし、第2楽章に入ると次第に調子を上げて、リズムの冴えが光る。第3楽章はあまり粘らず、まずまず。第4楽章は冒頭はごく普通に始まり、このまま終わるのかと思いきや、途中からテンポが急に速くなり、ついにチェクナヴォリアン節(というのがあるのか知らないが)が炸裂。ものすごいテンポでオーケストラをあおるが、破綻することなく見事についていくところは、さすがロンドン響!熱くなった音楽はそのままフィナーレまで続きます。
「ルスランとリュドミラ」もなかなか冴えた演奏。やや高音寄りの硬質な音色だが、聞いているうちに慣れる。これは当たりのCDでした。(おかげで聴いた次の日、一日中あたまからシェエラザードの音楽が離れませんでした・・・。)(99/4/11)
- ブルックナー「交響曲第8番」ハ短調
宇野功芳指揮新星日本交響楽団(1992)
Canyon classics, PCCL-00162(中古/¥980)
音楽評論家であり、熱烈なブルックナー愛好家で知られる宇野氏によるブルックナー。まず冒頭の弦のトレモロが力強く始まるのがいい。第1楽章は彼のこの曲の思い入れと研究の結果が如実に反映されていて、実に感興に満ちた演奏になっている。この演奏には多くのブルックナー・ファンが共感するだろう。第3楽章はかなり速めのテンポで、その分音楽が凝縮している。オーケストラが彼の音楽に共鳴して意欲あふれた演奏をしているのもすばらしい。やりたいことが分かりすぎる点もあるが、そこがかえって素人っぽくていい。彼の評論や指揮には熱狂的な支持者も多いが、この演奏は彼のファンでなくてもブルックナーが好きな人なら納得できる演奏だろう。(99/7/27)
- ブルックナー「交響曲第8番」ハ短調
朝比奈隆指揮大阪フィルハーモニー交響楽団(1994)
Canyon classics, PCCL-00253(中古/¥980)
数多くのブルックナー録音を残している朝比奈隆のこの曲6回目の録音(つい最近、東京都響との7回目の録音が発売された)。第1・2楽章は、やや平板な印象。インスピレーションが不足しているように感じられる。しかし第3楽章からぐっと音楽が深くなる。この音楽の美しさをたっぷり堪能できる。そして第4楽章はオーケストラの気合いがふつうでなく、はちきれんばかりの情熱が伝わってくる。最後は圧倒的な迫力で締めくくられる。CDには13分にもおよぶ拍手もすべて記録されており、聴衆の興奮した様子も伝わってくる。第1・2楽章がいまひとつなのが惜しいが、第3・4楽章を聴くだけでもこのCDの価値はあるだろう。(99/7/27)
- ブルックナー「交響曲第8番」ハ短調
カール・ベーム指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(1976)
Grammophon, 463 081-2(輸入新品/¥1490)
収録時間が80:20もあるのに惹かれて(もちろんベームの演奏が聴いてみたかったからだけど)買ってみた1枚。最初、やや高音寄りの録音に不安を感じるが、ウィーン・フィルの音は決してうるさくならないので安心。それどころか予想以上のすばらしい演奏に感激した。まず、弦の何という美しさ!ウィーン・フィルが、敬愛するベームのために全霊を捧げて演奏している様子がひしひしと伝わってくるのである。この曲でこんなにまぶしい弦の音を聴いたことはない。ベームの指揮は自然体で、驚くようなところはないが、力強さも十分でみごとなブルックナーである。しばらく廃盤になっていたようだが、これは忘れることのできない1枚。最近はギュンター・ヴァントがものすごい人気だが、すでに過去にはこんなにすばらしいブルックナーが演奏されている事実を忘れてはならない。この巨匠が残した偉大な遺産である。(99/7/27)
- ヴァイス「リュートのためのソナタ」第36,49,42番(Vol.1),第5,25,50番(Vol.2)
ロバート・バート(バロック・リュート)(1996)
NAXOS, 8.553773, 8.553988(輸入新品/各¥890)

リュートという楽器(いまのギターのような楽器)に最後の花を咲かせた作曲家だということだが、私は名前も知らなかった。だが、なんとロマンティックな音楽だろう。とても250年以上も前につくられたとは思えない。バート氏の演奏が実に暖かく美しく、録音も最高で、秋の夜更けにひとりグラスを傾けながら聴くのにぴったり。しばらくこの極上の音楽が病みつきになりそうです。これが1枚千円足らずで買えるのですから、NAXOSに感謝するしかありません。(99/10/1)(Vol.3も発売中です(8.554350)。00/5/13)
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