最近行ったコンサート
2001年5月
- 5月20日(日)町田市民ホール
ピアノコンチェルトへのお誘い
モーツァルト:「ピアノ協奏曲第23番」イ長調K.488より第1楽章(1)
ラフマニノフ:「ピアノ協奏曲第2番」ハ短調作品18より第1楽章(2)
ラフマニノフ:「ピアノ協奏曲第2番」ハ短調作品18より第3楽章(3)
グリーグ:「ピアノ協奏曲」イ短調作品16(全曲)(4)
ショパン:「ピアノ協奏曲第1番」ホ短調作品11(全曲)(5)
ピアノ:堤秋子(1),西謙二(2),若田佳純(3),安齋周(4),大津秀美(5)
指揮:荒谷俊治
管弦楽:町田フィルハーモニー交響楽団
1ヶ月ぶりのコンサート。今日は弟の知人がピアノを弾くというので出かけた。プログラムはピアノコンチェルトばかり。全曲でないものもあるが、一度にこれだけ聴けるのはピアノコンチェルト好きの私としてはうれしい限り。
町田フィルは7,8年前にブルックナーの4番を聴いて以来。荒谷さんの指揮は1999年6月の福岡OB交響楽団でも聴いています。余談ですが、プログラムによると荒谷さんは1969年にアメリカに留学し、ジョージ・セルのもとで研究したとあります。1970年春にクリーヴランド管弦楽団を指揮した、ということはセル/クリーヴランドの最初で最後の来日の頃ということ。何を振られたのでしょうか?
さて、最初はモーツァルトの23番。生で聴くのは初めてですが、本当にいい曲ですね。夏の強い日差しではなく、早春の柔らかな光の中で戯れるような音楽。堤さんのピアノはやや控えめですが、優しく端正な感じがモーツァルトによく似あっていました。
次はラフマニノフの2番。西さんは、お年は50前後でしょうか、本職は会社員のようですから、れっきとした(?)アマチュア。しかし、テクニックはすばらしいものがあります。堂々としていて、自分の音楽をしっかりもたれていると思いました。続いて、同じ曲の第3楽章を若田さんが弾かれました。若いからというのもあるかもしれませんが、この方はとても情熱的で奔放なピアノ(アルゲリッチ風?)。オケともよく合っていて(荒谷/町田フィルのコンビはなかなかのもの)、すっかりこの名曲を堪能しました。
次はグリーグ。さすがにこれだけ続くと少し疲れてきましたが、冒頭の安齋さんのピアノが、これまでとまた違った音がするのでおもしろいところ。芯が太く、安定感のある音。まだ音大の1年生ということですが、すでにこの存在感。間違いなく大物です。これまでに数々の賞を受賞しているということで、ピアノコンチェルトをやるのも初めてのことではないのかもしれませんが、何と余裕のある弾きぶり。「俺のピアノを聴いてくれ」といわんばかりに落ち着いています。特に指の回りの正確さには唸らされました。第2楽章などもう少し繊細さを求めたいところもありましたが、将来を嘱望されるピアノ弾きだと思います。(休憩時間にロビーに出ると、お客さんから抱えきれないほどの花束を贈られていました。)
さて、とりを努められるのは大津さん(弟の知人とはこの方)。これまたこれまでの奏者とは全く違う音がする。繊細で、澄んだ音色。ひとことで言えば、理想的なショパンということになりますが、それだけでは言い尽くせないものがあります。ピアノってこんなに美しい音が出せるんだと改めて感じました。フォルテも絶対にうるさくなりません。いつまでもこのピアノを聴いていたいと思わせる魅力があります。そして、「私のピアノを聴いて!」という嫌味なところがぜんぜんなく、自分の感じた音楽を無心に表現しているような感じ。とても素直で感受性が強い方なんだろうと思います。
第2楽章。夏の昼下がり、青空が映ったブリキのバケツの水面の中を、ゆっくりと白い雲が流れていく・・・、そんな風景を私は思い浮かべていました。
大津さんはパリのサルプレイエルでリサイタルをされるなど、すでにご活躍中の方ですが、これからも末永く美しいピアノを聴かせていただきたいものです。(今度はモーツァルトなど聴きたいです。)
予想以上に充実した演奏会でした。すっかり満足しました。やはり、やはり音楽はすばらしい。
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