最近行ったコンサート
2001年8月
- 8月4日(土)東京文化会館 大ホール
Japan Friendship
Philharmonic第13回音樂會
マーラー:「交響曲第3番」ニ短調
アルト:金子恵里
指揮:高橋敦
合唱:女声合唱団コールアデナック/戸田市児童合唱団
マーラーの交響曲第3番。交響曲史上に残る大曲。全6楽章、演奏時間は約100分。マーラーの交響曲はどれも長いが、この3番はとりわけ長い。だが、私はこの3番が大好きなのだ。そもそも私が最初に知ったマーラーはこの曲なのです。
第1楽章冒頭の重々しいホルンのテーマ。絶望の淵で打ちひしがれるような暗さ。しかし、それは次第に雲が切れるように薄らいで、明るく軽快な音楽に変わっていく。いくつかの楽想が形を変えて登場するが、後期の交響曲と違って難解ではなく、ユーモアさえ感じさせる音楽。第1楽章だけで30分以上もかかるが、まったく飽きない。オーケストラは予想以上にすばらしい。ミスがないわけではないが、技術的な問題はクリアして、音楽の表現に集中できている。特にトロンボーン、トランペットはまるで話しかけてくるかのような雄弁さを感じた。この曲はいろいろな打楽器が登場するが、パーカッション部隊も切れがいい。
第2楽章は古典的な端正さを感じる牧歌的な曲。第3楽章はおとぎばなしの世界のようなメルヘンチックでちょっと変わった曲。後半、舞台裏でトランペットが吹くところ、なかなか良かった。第3楽章が終わって、指揮者がいったん袖に下がる。休憩であった。1曲とは言え、さすがに100分ぶっ通しでやるのは演奏するほうも聴くほうも参るだろう。
東京文化会館は何度か来ているが、改めて良いホールと思った。今日は3階席に座ったが、音が明快にバランスよく聞こえる。デザインもいまもって斬新に見えますし、ホワイエの開放感は他のホールでは味わえないもの。今日はなぜか、若い女性が多い。しかもヒールが高い人が多い。(おかげでカツカツうるさい。)途中から入ってくる人も多い。上野公園を散歩していた人がふらっと入ってくるのだろうか??
さて、後半。舞台に合唱団と独唱者が入ります。第4楽章はアルト独唱による夜想曲風の曲。金子さんの独唱は力強さと透明感を持ち合わせた魅力的なもの。独唱会などあったら行ってみたいものです。第5楽章では合唱が入ります。児童合唱も女声合唱もなかなかのもの。練習のあとがうかがわれます。そして最終楽章。弦が奏でる叙情的なメロディ。泣きたくなるような美しい音楽です。交響曲第5番のアダージェット、第9番の終楽章に通じる、マーラーならではの甘美で、しかしどこか憂鬱で孤独な音楽。いままで見てきた風景をまるで幻想のように、どこか遠い世界のものとして回顧するような感じがあります。
指揮者の高橋さんはまだお若いほうだと思いますが、体を大きく使ってこの大曲を破綻なくまとめ、それ以上の表現を目指しておられました。とても才能ある方だと思います。最後にヴァイオリンの独奏でアンコールが演奏されました。これがまた心に染みる音楽。曲は結局分かりませんでしたが、映画音楽のようにも思いました(*)。
余韻に浸りながら、何とも名状し難い気分で会場をあとにしました。
☆おまけ☆
私のお気に入りのCDは、ショルティ指揮シカゴ交響楽団と、ラインスドルフ指揮ボストン交響楽団。
(*)追記:たぶん、映画「シンドラーのリスト」のテーマ曲。
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