最近行ったコンサート
2001年11月
- 11月11日(日)渋谷公会堂
渋谷公会堂オータムコンサート2001
チャイコフスキー:大序曲「1812年」作品49
チャイコフスキー:「ピアノ協奏曲第1番」変ロ短調作品23
ストラヴィンスキー:バレエ音楽「火の鳥」(1919年版)
ピアノ:横山幸雄
指揮:小松長生
管弦楽:新日本フィルハーモニー交響楽団
1ヶ月ぶりのオーケストラのコンサート。プログラムの良さと、渋谷公会堂という会場の珍しさで行ってみました(友人が前売券を買ってくれていたので2000円で入れました。安い!)。よく考えると、新日フィルは、3,4年前に1回、レオン・フライシャーの指揮とピアノに行ったっきりで、今回が2回目。指揮の小松長生さんも名前はよく聞いていましたが、生は初めて。
渋谷公会堂はNHKホールと目と鼻の先。ロックやポップスのコンサート会場としてのほうが有名だと思います。会場はほぼ満席状態。日曜日の19:00からという時間にもかかわらずこれだけ集まるのは、料金が安いから?やや古びたホールで、音響が心配でしたが、最初の「1812年」の出だしを聴いて安心。そんなことより、オーケストラから発せられる音楽の何と魅力的なこと!弦、木管、金管、打楽器、どれをとっても、みずみずしさにあふれています。下手をすると、ボテボテした演奏になりがちなこの曲ですが、実に新鮮に聴こえます。アンサンブルはぴしっと揃っている上に、演奏者がのびのびと自分の音楽をやっているところがすばらしい!小松さんの統率力にも感服。
「ハイ、これがプロの演奏です。」、そういう演奏でした。小細工をしないでこれだけ聴衆を圧倒させるのは、並みのことではありません。いまの演奏、そのままCDにしても売れますね。
次は横山幸雄氏を迎えてのチャイコフスキーのピアノ協奏曲。横山氏のピアノは、3年ほど前か、小林研一郎指揮栃木交響楽団でラフマニノフの2番を聴いた記憶がある。そのときは、あっさり流すような演奏で、あまり感心しなかった。今日のチャイコフスキー、リスト賞を受賞するだけあって、さすがにテクニックは驚異的。難しいパッセージもさわやかに軽々弾いてしまう。全体にやや小粒のピアノか。フォルテッシモよりピアニッシモに魅力がある。ただ、印象としては前回と同じ。彼が何を言いたいのか、この曲に対してどんな思い入れがあるのかがよく分からない。あれだけのテクニックがあるのに、少々もったいない。終楽章のコーダの加速はさすがでしたが・・・。
休憩をはさんで、「火の鳥」。一度生で聴きたかった曲。ストラヴィンスキーの3大バレエはどれも名曲ですが、一番雰囲気を持っているのはこの「火の鳥」だと私は思います。少々不気味で幻想的な、独特の雰囲気を持った曲です。バレエの組曲は3種類ありますが、一番短くて簡潔なのがこの1919年版です。
暗い序奏に始まり、「火の鳥とその踊り」に入ると、オーケストラの本領を発揮。「王女たちのロンド」ではソロ楽器のうまさが光ります。特にオーボエ。まだ若い方のようでしたが、思わず聴き惚れてしまいました。オーボエに限らず、みなさんそうなのです。自分の音楽をやっているのです。続く「カスチェイ王の魔の踊り」、パワー全開!またまた「プロの音楽」を見せてくれます。激しい音楽ですが、音はまったく濁らず、クリア。続いて幻想的な「子守歌」。「終曲」に入る前の、弦のトレモロの静謐さは見事。底無し沼に引き込まれるような感覚。そして「終曲」は華々しく締められました。
まったく迷いのない、完璧な演奏でした。これだけの音楽を演奏する新日本フィルもすばらしいが、これだけの音楽を自分自身の中に持っている小松さんはさらにすばらしい。音楽的才能はもとより、オーケストラをここまで仕立て上げる職人的な才能を兼ね備えたすばらしい指揮者だと思いました。どこの世界でもそうかもしれないが、おもしろおかしくやる人間は、やはり目立つが、真面目に正攻法でやっていく人間はなかなか世間の注目を浴びないもの。特にスターが目立つ指揮者の世界では彼のような一見地味だが優れた才能を持つ指揮者は大変貴重だと思います。
いっしょに行った友人とも話していましたが、やっぱりたまにはプロのオーケストラ、特にこの新日フィルを聴きに行かなければ、と思います。あとは、東京フィルかな。しばらく、この2つのオーケストラを狙ってみようかと思います。
- 11月25日(日)太田市民会館大ホール
太田市民吹奏楽団第18回定期演奏会
スッペ:喜歌劇「スペードの女王」序曲
モーツァルト:「オーボエ協奏曲」ハ長調K.314
スメタナ:交響詩「わが祖国」から<モルダウ>
R.シュトラウス:交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」作品28
オーボエ:峯岸昭直
指揮:本田明
大学の時の友人が吹奏楽団でトランペットをやっているとのことで、はるばる群馬県へ。とは言っても、このホール、偶然にも7月の「白鳥の湖」で来たばかり。前回は猛暑でしたが、今日は秋晴れで気持ちがいい。ホールの前の銀杏並木が黄色に染まって美しい。
さて、今日はオール・クラシック・プログラム。選曲もなかなか渋いところ。「スペードの女王」は「軽騎兵」ほどではないにしてもスッペの代表曲でしょうか。最初はよたよたした感じのメロディですが、後半のアップテンポなところがこの曲の命でしょう。最後の盛り上がりはなかなかのものでした。次は「オーボエ協奏曲」。吹奏楽でコンチェルトは珍しいと思います。編成も木管(サックスも含む)だけで、かなり変わってます。オーボエは団員の方とのこと。雄弁と言えるほどではなかったかもしれませんが、その一生懸命さに打たれました。モーツァルトはよいですね。適度な眠気が気持ちいい(笑)。
休憩を挟んで、「モルダウ」。ゆったり目のテンポで始まります。フルートの合間の弦のピチカート部分がマリンバで鳴らされてびっくり。でも意外にしっくりきます。続くあの有名な旋律は通常は弦楽器主体ですから、クラリネットではどうなるかと思いましたが、これはこれで新鮮でした。もっと物足りなさがあるかな、という予想は裏切られました。そして団員の皆さんが、”自分の音”をしっかり出されているのがすばらしい。原曲のシリアスな雰囲気とは異なり、ヨーロッパの街角楽団の演奏を聴くようなほのぼのとした味わいがありました。指揮者の本田さんのご指導の表れなのかもしれません。満足感いっぱいの「モルダウ」でした。
最後は「ティル」。こちらは各セクションの名妓がより楽しめます。難しい曲ですが、まとまりがよく、楽しめました。友人のトランペットも大活躍でした(お疲れさま〜)。
クラシック・ファンにはうれしい内容でしたが、一般の方にとってはちょっと渋めの選曲だったかも。(私は好きなので、今度クラシック・プログラムをやるときは教えてちょうだい!>トランペット君。)
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