最近行ったコンサート
2002年11月
- 11月17日(日)江戸川区総合文化センター大ホール
江戸川フィルハーモニーオーケストラ第16回定期演奏会
清水保雄:「江戸川区歌」
ショスタコーヴィチ:「祝典序曲」作品96
チャイコフスキー:「ピアノ協奏曲第1番」変ロ短調 作品23
チャイコフスキー:「交響曲第5番」ホ短調 作品64
ピアノ:川島余理
指揮:喜多原和人
今年の4月に続き、友人のN氏が出演するコンサート。今回も満席に近いお客さんが来ている。最初は前回も演奏された江戸川区歌。これ、前も書きましたが、名曲ですよ。歌詞は知りませんが、オーケストレーションがすばらしいせいもあってか、”区歌”などにしておくのはもったいないほど。
続いてショスタコーヴィチ。あまり知られていないかもしれませんが、密度の濃い佳曲です。木管の鳴り方などいかにもショスタコーヴィチらしい。その木管はかなり速いパッセージですが、ちゃんと音が出ていて、練習のあとが伺えます。後半は2階の客席から金管が現れるなど、演出もなかなか。何よりも迫力がすばらしく、ショスタコーヴィチを聴く快感に浸りました。ブラボーです。
続くピアノ協奏曲では、海外のコンクールで優勝されるなど、実力をお持ちの川島さんが演奏。少し聴くだけで、テクニックはもとよりとても精緻な表現力をお持ちの方だと分かります。その呼吸の大きな、そして凛々しい美音を聞くと、ため息が出ます。オーケストラはやや精度を欠くところもなくはなかったですが、ピアノとの息はぴったり。第1楽章の最後もびしっと決まって気持ちがいい。終楽章は速めのテンポ。特に最後のコーダはそこまで攻めるか!と思うくらい攻撃的なピアノで、オケともども大熱演でした。すばらしいピアニストです。
後半は交響曲第5番。最初は遅めのテンポで始まります。全奏部は、ティンパニも轟き、迫力があります。オーケストラは、個々の技術的な違いは感じるものの、全体によくまとまっていました。特に金管セクションは気合が入っていました。ただ、ひとつ難を言えば、喜多原さんの指揮にもうひと工夫欲しかった。やや正攻法すぎて、メリハリがなくなってしまったように思います。何か一つ、特徴があったらと思いました。
アンコールは「眠りの森の美女」からワルツ。これは開放的でアンコールにふさわしい迫力のある演奏でした。今日の演奏、個人的にはショスタコーヴィチが気に入りました。(と言っては、N氏をはじめ、オケの人から怒られそうだが、ショスタコ・ファンゆえ、許してください。。。)
- 11月24日(日)東京国際フォーラム ホールA
キーロフ国立歌劇場管弦楽団/NHK交響楽団 合同公演
チャイコフスキー:「弦楽セレナード」ハ長調 作品48
ショスタコーヴィチ:「交響曲第7番」ハ長調 作品60<レニングラード>
指揮:ワレリー・ゲルギエフ
ゲルギエフの人気はうなぎ上りである。今月はN響定期にも登場し、日本でも彼の指揮に接する機会が多くなりそう。今回は、彼の手兵、キーロフ国立歌劇場管弦楽団とN響との合同公演。しかも曲がショスタコーヴィチと来れば、行きたい!しかし、チケットがそこそこ高いのは別として、もうとっくにチケットはないだろうと思って、諦めていた。ところが、知り合いの方から協賛会社の割り当て分を入手してもらうことができた!幸運である。しかも定価12000円のS席が、わずか5000円で。
会場の東京国際フォーラムのホールAはたぶん来るのは初めて。クラシックのコンサートをこのホールでやるのは比較的珍しい。(ホールCには行ったことがある。)実に立派なホールで、東京都はなかなかいいものをつくったと思う。このホールAはいったい何席あるのでしょうか?通常のコンサートホールよりずっと大きい。(5000席くらいある?)
演奏にさきがけて、ゲルギエフのプレトークがあるという。通訳の方とステージに登場。ショスタコーヴィチの「レニングラード」について、その位置付け、意味について、かなり詳しく話をした。彼が言うにはショスタコーヴィチは戦争交響曲を6曲書いたそうである。さて、何番なのか?4,5,7,8,10,13番???(たぶん合っていないでしょう。誰かショスタコーヴィチに詳しい方、教えて。。)少なくとも4番は戦争交響曲と言ってよいようで、ゲルギエフもこの4番の話をしきりに引用していました。30分のトークのあと、30分の休憩。(かなり余裕を持ったスケジュールです。)
最初の曲はチャイコフスキーの弦楽セレナード。ゲルギエフはこの曲については一言もコメントしませんでしたが、なかなかどうして、すばらしい演奏でした。それにしても何といい曲なんでしょう!優雅で上品、メロディもすぐ覚えられる親しみやすいもの。チャイコフスキーは本当に天才的な人だったんだと改めて気づかされます。ゲルギエフの指揮は、呼吸が深く、心から歌っている。暖かい音楽。決して、自分を押しつけず、曲が持つ美しさを自然に引き出すことができる人だと思いました。2つのオーケストラの息もぴったり。あまりの美しさに涙が出そうになった。至福のひとときでした。
さて、メインのショスタコーヴィチ。冒頭から勇敢に始まるこの曲、わりとあっさりと始まりました。第1楽章は、主題が何度も何度も繰り返され、肥大していく音楽。この曲になって、大きすぎるホールがやや裏目に出て、響きが拡散してしまう感じがしたのが少し残念でしたが、オーケストラがよく揃っているのは分かります。音響のせいもあるかもしれませんが、ゲルギエフはこの曲の持つ迫力を必要以上に強調しない感じがしました。(個人的には、コンドラシンやバルシャイの迫力みなぎる演奏が好きなのですが。)第2、3楽章は、曲自体、第1楽章よりインパクトが少なく、やや冗長な音楽に聴こえました。第4楽章の最後の盛り上がりは期待通りで、手応えがありました。
ゲルギエフの演奏は(他でも語られていることだと思いますが)、暖かく、人間的なところが魅力的なのかなと思います。技巧的な巧みさより、スケールの大きさが彼の音楽の特徴でしょうか。音楽にうそがない。正直、今日の演奏は、メインのショスタコーヴィチよりもチャイコフスキーのほうに感動しましたが、また彼の演奏は聴いてみたいと思います。(しばらく日本各地で演奏会があるようです。)
<前の月へ 次の月へ>
クラシックのページ
To TOP