最近行ったコンサート
2003年3月
- 3月9日(日)江戸川区総合文化センター大ホール
江戸川フィルハーモニーオーケストラ第4回スプリングコンサート
清水保雄:「江戸川区歌」
サン=サーンス:「序奏とロンド・カプリチオーソ」
グノー:歌劇「ファウスト」より「宝石の歌」
ダヴィッド:「トロンボーン協奏曲」より第1楽章
ベートーヴェン:「ピアノ協奏曲第3番」より第3楽章
サン=サーンス:交響詩「死の舞踏」
ボロディン:歌劇「イーゴリ公」より「ダッタン人の娘の踊り」,「ダッタン人の踊り」
ヴァイオリン:池田梨枝子
ソプラノ:大森絵理
トロンボーン:暮林直樹
ピアノ:本多菜果
指揮:喜多原和人
江戸フィルの演奏会に来るのは今回が3回目。春の演奏会の前半は、江戸川区新人演奏会の入賞者による協奏曲の演奏となっています。音楽コンクールを市区町村で主催しているところは少ないでしょう。さらに、各部門の入賞者にオーケストラと共演する機会を作っていることは実にすばらしいことだと思います。
いつもの江戸川区歌のあと、サン=サーンス。ヴァイオリンの池田さんは出だしから、こくのある深い響き。技巧臭のまったくしない美しい音色です。ヴィヴラートが控えめなので、かえって上手さが光ります。後半の速いパッセージでは完璧とまでは言えなかったかもしれませんが、この方はすでに自分の音をしっかり持たれています。今後のご活躍が期待されます。
続いてソプラノの大森さん。とても澄んだよく通る声をお持ちです。私はキンキンしたソプラノは苦手ですが、大森さんの声はとても優しく軽やか。言葉も明瞭。ご活躍を期待しています。
次はトロンボーン。ダヴィッドという作曲家は始めて知ったが、なかなか快活で爽やかな曲です。トロンボーン協奏曲っていいじゃない、と思わせます。暮林さんのトロンボーンも余裕が感じられ、演奏を堪能できました。
最後のソリストはピアノ。ベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番の終楽章。本多さんのピアノは、決してがんがん鳴らすピアノではなく、暖かさを感じます。指の移行の滑らかさには、魅せられました。粒立ちがよく、くすぐられるような快感を覚えます。このピアノで第2楽章を弾いていただけたらなお良かったのに。演奏後のインタビューで、古典派が好きとおっしゃっていましたが、モーツァルトなど、ぴったりのような気がします。シューベルトも最高かも!なんて勝手に想像してしまいました。
いやいや、大物ぞろいじゃないですか。江戸川区は本当に人材豊富ですね。この企画はぜひ今後もずっと続けていただきたいものです。
後半はいよいよオーケストラのみで登場。最初は「死の舞踏」。前半の伴奏ではやや粗くなるところもありましたが、今度はまとまりがよく流れもスムーズ。サン=サーンスはいいですね。魅力的なメロディが多く、個性的で好きな作曲家です。次は「イーゴリ公」より2曲。「娘の踊り」の方は、タンバリンとトライアングルの軽やかなリズムが印象的な軽やかな舞曲。「ダッタン人の踊り」はボロディンの代名詞のような名曲。楽器の扱いも多彩で見ているだけでも楽しめます。喜多原さんの指揮は粘りすぎず、素直な演奏。
アンコールはビゼーの「アルルの女」より「ファランドール」。これは盛り上がりますね。アンコールにぴったり。オーケストラもよく揃っていました。
後半はややプログラムとしては軽めですが、前半のソリストがメインと考えればちょうどよいのだと思います。春は新人紹介、秋はオーケストラの聴き所満載ということでいいサイクルになっているようです。もっとも、次回は7月に新しいチェコ人の指揮者を迎えての演奏会だそうです。新しい江戸フィルが聴けそうですね。楽しみにしてますよ。Nさん!
- 3月16日(日)東京藝術大学 奏楽堂
上野の春〜藝大教官演奏会〜
メンデルスゾーン:「ヴァイオリン協奏曲」ホ短調 作品64
ミヨー:「チェロ協奏曲第1番」作品136
ラフマニノフ:「ピアノ協奏曲第3番」ニ短調 作品30
ヴァイオリン:玉井菜採
チェロ:山崎伸子
ピアノ:青柳晋
指揮:沼尻竜典
管弦楽:藝大フィルハーモニア(東京藝術大学管弦楽研究部)
あと2週間もすれば、桜が咲くはずだが、曇り空の上野公園はまだ寒い。藝大オーケストラは、昨年10月のコバケンの「我が祖国」以来、2度目。今日は協奏曲尽くし。今日は奏楽堂のやや前寄りの中央に座る。客席はほぼ満席。
最初はメンコン。玉井さんのヴァイオリンは芯があり、よく鳴ります。特別個性的というわけではありませんが、誠実でのびやかな演奏です。特に第2楽章の美しさが光りました。オーケストラはうまいのはもちろんですが、気合が入っていて気持ちがいい。
次のミヨーのチェロ協奏曲は初めて聴きました。冒頭のうなるようなチェロの独奏は、エルガーの協奏曲を思わせます。激しいチェロのあとは、少し穏やかな曲調に。第2楽章は小太鼓のトレモロが印象的。やや暗い雰囲気から一転して第3楽章は、テンポの速い華やかな音楽。最後の一撃だけシンバルが出てくるのが面白い。全体にやや現代的な響きはするが、聴きにくさはなく、創意にあふれた個性的な協奏曲と思いました。ベテランの山崎さんの演奏も熱のこもったものでした。
休憩を挟んで、ラフマニノフ。第2番は有名で演奏回数も多いですが、第3番は演奏頻度はぐっと落ちるはず。青柳さんのピアノは、音楽をすべて自分の中に取り込んで、新しい響きを創りだそうとしているのが感じられました。最初はやや神経質でオーケストラの音量に埋もれてしまうところもありましたが、随所に彼の創意がうかがえます。テクニシャンですね。第3番は第2番に比べ、技巧的にかなりの難曲(かつ長い)だと思いますが、彼はその技巧を楽しんでいるよう。(見ていてそんな雰囲気。)もともとオーケストラの下を支えるような箇所も多く、ピアニストにとっては「がんばりが報われない曲」かもしれません。とにかく難しいパッセージの連続!これが延々40分以上続くのですから、体力がないとついていけないでしょう。オーケストラも相変わらずうまくて、終楽章のクライマックスもよく鳴っていてしびれます。沼尻さんのサポートも実に的確かつ、熱いものを感じました。
藝大フィルハーモニアの演奏会には、はずれがない気がします。技巧的に巧いのはもちろんすごいのですが、団員の音楽に対する真摯な姿勢に惹かれます。とても素直な音。熱くなりすぎず、冷たくならず、いいお湯加減(?)です。もっといろいろ聴いてみたい気がします。
- 3月21日(金・祝)調布グリーンホール 大ホール
桐朋女子中学高等学校音楽部オーケストラ 第19回定期演奏会
(1)J.バーンズ:「アルヴァマー序曲」
(2)ボロディン:交響詩「中央アジアの草原にて」
(3)ヨハン・シュトラウス:「狩のポルカ」
(4)A.バローゾ:「ブラジル」
(5)H.ジマー:「バックドラフト」
(6)ドヴォルザーク:「弦楽セレナード」ホ長調より第3楽章
(7)J.ウィリアムズ:交響組曲「ハリー・ポッター」
(8)ホルスト:組曲「惑星」より火星、金星、木星
指揮:関田英二(2,5〜8),長谷川郁子(4),平野幸世(1),成富友香子(3)
昨年、たまたま出かけたコンサートの後、オーケストラのメンバー方が掲示板に書き込みをしてくれて、今年のコンサートの案内もいただきました。私の予定はきまぐれなので、行けるかどうか分かりませんでしたが、何とか駆けつけることができました。
ステージに出てくる団員の多いこと!総勢153人。最初の「アルヴァマー序曲」は毎年の定番とのこと。指揮は学生さん。ちょっと自信なさそうに棒を振りはじめましたが、出てくる音の輝かしいこと!テンポ、楽器のバランス、どれも絶妙です。初々しい指揮と相まって、爽やかな演奏でした。やはりいい曲ですね。
次はボロディン。昨年も「交響曲第2番」をやっていて、団員の一番好きな作曲家に躍り出たボロディン。やっぱり皆さん好きなんですね。演奏は簡単そうで実は結構難しそう。ちょっと苦戦したみたいですね。次は中学1,2年生による「狩のポルカ」。冒頭、パンパンパンと風船を割るパフォーマンスあり。どちらかと言えば控えめな表現ですが、のびのびとまっすぐな演奏をするこのオーケストラの雰囲気は共通しています。「ブラジル」ではちょっと雰囲気が変わって、ポップス系。舞台の上のミラーボールが回ります。さまざまな打楽器のリズムが心地いい、開放的な曲。指揮の先生の微妙な腰の揺れがおもしろかった。「バックドラフト」は知りませんでしたが、迫力のあるかっこいい曲です。以上2曲は管楽器のみの演奏でしたが、最後は弦楽器のみの「弦楽セレナード」。いいプログラミングです。この曲は初めて聴きましたが、穏やかな表情を持った美しい曲です。肩の力の抜けた真摯な演奏で、思わずうとうと・・・。(すいません。でもいい演奏でした。)前半最後は、「ハリー・ポッター」。私は、映画を見てないので音楽はさわりしか知らないですが、作曲はジョン・ウィリアムズだったんですね。(いまごろ知る・・・。)巧みなオーケストレーションの裏には、必死に弾く団員の姿が。これは難しそう。よくまとめあげたと思います。
ここまで約1時間。盛りだくさんです。休憩を挟んで、メインの「惑星」。この曲はとても好きな曲ですが、実演される機会はそんなに多くなく、生で聴くのは今日が初めて。(全曲でないのが残念ですが。)「火星」。必要以上にわめくことがなく、節度ある演奏。このオーケストラの印象は、爽やか、素直、音楽的センスのよさでしょうか。オルガンパートはキーボードでちゃんと再現されていました。(省略しないところがすばらしい。)「金星」は、冒頭のホルンがきれいでした。途中、ヴァイオリンとチェロのそろがちょっとだけありますが、特にコンサートミストレスのヴァイオリンは美しかった。「木星」も流れのよい演奏。トランペットのうまさが光っていました。
盛大な拍手のあと、今回で引退する高校2年生がステージから降り、後輩が先輩に曲を贈ります。曲はスッペの喜歌劇「天国と地獄」序曲の後半部分。最後に再び全員でヨハン・シュトラウスの「ラデツキー行進曲」。いきなり超快速テンポで始まりびっくり。音が乱れないところがすごい。慣例ではありますが、客席も拍手で演奏に参加。すてきな終わり方でした。
これだけたくさんの曲をこなすだけでも大変だったと思います。前回演奏会のパンフレットにもありましたが、今回も部員アンケートが載っています。「今年の珍話を教えてください」という問いに、「毎日が珍話」という回答が最多だったとあります。すばらしいです!そんな楽しい雰囲気が演奏からも伝わってきました。ぜひ、これからも素敵な音楽を届けてください。
- 3月22日(土)よこすか芸術劇場
横須賀市立横須賀高等学校吹奏楽部 第21回ファイナル定期演奏会
(1)A.リード:「A CELEBRATION FANFARE」
(2)Robert W.Smith:「PARADISO」
(3)Robert W.Smith:「AFRICA; CEREMONY, SONG AND RITUAL」
(4)ビゼー:「アルルの女第2組曲」より「ファランドール」
(5)グノー:歌劇「ファウスト」より「トロイの娘たちの踊り」
(6)大栗裕:「吹奏楽のための大阪俗謡による幻想曲」
(7)平島俊明:MEGA SFX FINAL
指揮:細川恭典(1),平島俊明(2,3,6,7),山本昌一郎(4),中間哲(5)
今年1月、小学校のときの親友K君と約19年ぶりに再会した。彼は小学校の鼓笛隊でトランペットを吹いていた。高校でも吹奏楽部で吹いていたという。今でもときどきOBとして出演しているそうで、チケットを送ってくれた。(今回はK君は客席で聴くだけとのこと。)
よこすか芸術劇場は、前から行きたいと思っていたが、今日が初めて。京急の汐入駅を降りると、目の前がホール。周辺には大型のショッピングセンターが並び、僕が小学校のころとは様変わりしている。ホールに入ると、階層にそそり立つバルコニーが目に入る。まるでヨーロッパのオペラハウスのよう。すばらしいホールだ。ほぼ満員の客席。
最初はA.リードの1988年の曲。冒頭から力強い金管に圧倒される。すばらしい迫力だ。曲もいい。次のW.Smithの曲は、ジャンルとしてはポップスなのだろうが、表面効果だけを狙ったような曲とは一線を画すやや複雑な構成を持つ。ジャンル分け自体が無用なのかもしれないが、クラシック系の現代音楽として捕らえても十分価値のありそうな力作だ。一部に団員のハミングが入るが、きれいに揃い、音楽になっている。次も同じ作曲家による、アフリカをイメージした曲。変化に富んだ打楽器の扱いが見事。演奏もまったくすばらしく、パーカッションと金管の堂々とした鳴りっぷりは快感である。
休憩を挟んで、次はクラシック系。「ファランドール」も金管がよく鳴る。グノーはいままでと少し雰囲気が変わり、優雅である。大栗裕の曲はCDでは聴いたことがあったが、あまりぴんとこなかった。最初は静かな序奏で始まるが、急に激しくなる。お囃子を連想させる音楽だが、構成はもっと複雑。打楽器の扱いも決して単純ではなく、演奏するのは大変だろうと思うが、市横のメンバーは自信に満ちている。
第3部はSF映画音楽をメドレー形式で。全体が司会者によって一つの物語にまとめられ、舞台演出も入る。曲はR.シュトラウスの「ツァラトストラはかく語りき」のアレンジから始まり、スターウォーズ、アルマゲドン等々、いくつかのSF音楽が見事なアレンジで繰り広げられる。途中、演奏者が客席まで降りるなど、数々の演出がある。
アンコールのあと、最上級生が舞台を降り、客席のドアから出て行く。涙ぐむ女の子もいる。しかし、一貫して、団員は冷静である。拍手を受けても微動だにしない。その統制の取れた振る舞いはみごと。
いったいこれだけのステージを創り上げるためにどれだけ練習したのだろう。休憩時間を除いたって、丸々2時間はあるのである。しかも難曲ばかり。OB・OGが卒業後、毎年これを聴きに来続ける理由が分かる気がする。自分もまだ若いつもりだが、若いっていいなと思わせる素敵なステージでした。来年は市内の3つの高校が併合され、総合高校となるそうだが、このコンサートは続けていってほしいと思う。拍手!
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