最近行ったコンサート
2003年7月
- 7月13日(日)江戸川区総合文化センター大ホール
江戸川フィルハーモニーオーケストラ第17回定期演奏会
清水保雄:「江戸川区歌」
ドヴォルザーク:「チェロ協奏曲」ロ短調 作品104
ドヴォルザーク:「交響曲第8番」ト長調 作品88
チェロ:マルティン・シュカンパ
指揮:アントニーン・キューネル
友人のN氏が所属する江戸フィルのコンサート、今回は新たにチェコ人の指揮者を迎えてのドヴォルザーク。さて、どんな演奏を聴かせてくれますか。最初は例によって、名曲の江戸川区歌。指揮のキューネルさんは、どちらかと言えば華奢で学者肌といった雰囲気。(1941年生まれ。ブロムシュテットにちょっと似ている。)
チェロのシュカンパさんも、1962年のチェコ生まれ。チェロ協奏曲の冒頭は、この曲の中でも特に印象的な音楽。弦がしっかりとした音を出している。シュカンパさんのチェロは、大きな音でわめくような感じではなく、静かに聞かせるようなチェロ。音色はつややかで美しい。シュカンパさんの演奏を聴いていると、この曲は、チェロがオーケストラと対抗するというよりは、チェロ独奏付きの交響曲と考えたほうが合っている気がする。オーケストラの伴奏は充実している。特にヴァイオリンセクションは音がよく揃っているし、何より「いい演奏をしたい」という意欲がよく伝わってくる。いや、ヴァイオリンに限らず、すべてのパートの鳴りがこれまでの江戸フィルとは違う。金管も気合の入った豪快な鳴りっぷり。音楽に隙がない。真実味がある。細かい表情付けも迷いなく表現できている。今までの江戸フィルからは聴かれなかった音だ。こういうところは練習の成果に他ならない。
休憩後の8番。冒頭の弦の叙情的な旋律、落ち着いている。どの楽器が、というより、すべてが調和している。音楽に邪念というか、雑音がない。それにしても、技術的にばらつきがあると思っていたこのオーケストラが今日はよくまとまっている。ひとえにキューネルさんの求心力によるものだと思う。ティンパニが思い切りよく鳴ってくれるのは、キューネルさんが元ティンパニ奏者だからだろうか。第1楽章の最後で急激なアッチェレランドをかけるなど、見せ場も作ります。思わずにんまりしてしまいました。第2楽章、のどかだがどこか寂しさを感じさせる冒頭。弦と木管の丁寧な音楽作りには感心しました。どこの一流のプロのオーケストラと比較しても遜色ない出来ばえ。見事。どこをとっても音楽的なのです。演奏うんぬんではなく、曲そのものに酔わせてくれます。第3楽章の美しい旋律を聴いたら、もうオーケストラのうまい下手なんてどうでもよくなりました。名曲を聴く幸せに浸りました。第4楽章に入ってもオーケストラのテンションは持続します。最後のコーダに入る前、テンポを落としてピアニッシモで丁寧に歌うところにキューネルさんの個性が光ります。そして気合の入ったコーダ。見事!
アンコールは「スラヴ舞曲第1番」。いい曲です。僕は大好き。オーケストラは水を得た魚のよう。キューネルさんが棒を一振りすれば、自然に最高の音楽が出てくるよう。指揮者とオーケストラが完全に一体となったしあわせな関係がそこにはありました。
すばらしいマエストロです。キューネルさん。チェコの名指揮者ヴァーツラフ・ノイマンのような気品のある演奏を聴かせてくれます。また、優れたオーケストラビルダーでもあります。こんなこと言ったら関係者から怒られそうですが、あの江戸フィルがここまで変貌するとは驚きです。”キューネル・マジック”と言っても過言ではないでしょう。江戸フィルは無理やりでもこの指揮者を引っ張ってきたほうがよいのでは?(今後の予定は知らないのですが・・・。)
新生江戸フィル、おめでとう!今後のオーケストラの活躍に期待しています。ブラヴォー!
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