最近行ったコンサート
2003年10月
- 10月11日(土)東京芸術劇場大ホール
新交響楽団第183回演奏会
プロコフィエフ:交響組曲「キージェ中尉」作品60
ラフマニノフ:「パガニーニの主題による狂詩曲」作品43
ベートーヴェン:「交響曲第7番」イ長調 作品92
ピアノ:ウラジミール・オフチニコフ
指揮:小泉和裕
オーケストラのコンサートは久しぶりに行く気がする。新交響楽団は今回が3回目だろうか。(調べたところ、初めて行ったのは1995年1月16日の第146回定期。フランシス・トラヴィス指揮でベートーヴェンの2番、ドビュッシーの「海」、ファリャの「三角帽子」を聴いている。2回目は昨年7月、飯森泰次郎のブルックナー8番。)
全5曲から成る「キージェ中尉」はそれほど好んで聴く曲ではないが、ジョージ・セルのCDを持っている。第1曲のキージェの誕生は、舞台裏のトランペットで始まる。行進曲風の華やかな曲。新響の演奏も元気よく、ぞくぞくします。2曲目のロマンスは哀愁漂う物悲しい旋律。ちょっと通俗的過ぎる感じもしますが、元々は映画音楽だったと聞けば納得。第3曲キージェの結婚では、トランペットがうまかった。第5曲では第2曲と第3曲のテーマが同時進行するところがおもしろい。とは言え、彼の「ロメオとジュリエット」に比べるとややお気楽な作品という気もしないではない。
続いてラフマニノフ。オフチニコフさんは1982年のチャイコフスキーコンクールで1位なしの2位など、数々の世界的コンクールで入賞している方。長身でスリムな身体にふさわしく、実に繊細なピアノ。その表現は変幻自在。1小節の中でも音色を描き分けるような神経の細やかさ。それでいて冷たくならないのがいいところ。全体に知的でダンディな雰囲気が漂います。有名な第18変奏でのタッチの美しさは特筆もの。実にロマンティック。オーケストラも最高の伴奏。お互いが信頼しあっているのが伝わってきます。
演奏後の盛大な拍手に応えてアンコール。曲はラフマニノフの「前奏曲第4番」ニ長調作品23-4。ノクターン風の静かに流れる音楽。ふと、どこかヨーロッパの街中で夕べの風に吹かれているような、心地よい気分になりました。わずか4,5分の曲でしたが、1つの映画を見たような充実感を感じました。オフチニコフ、聞きしに違わぬすばらしいピアニストでした。彼のリサイタルを聴いてみたくなりました。
後半はベートーヴェンの7番。最近、ベートーヴェンの交響曲は”どの版で演奏するのか?”ということが話題になっています。特に演奏会では、デイビッド・ジンマンのCDで有名になった”ベーレンライター版”で演奏することが流行になっています。今日の演奏は、”ブライトコップ・ウント・ヘルテル社ペーター・ハウシルト新校訂版(1994)”とのこと。第7番は版による違いがそれほどないようで、聴いていても従来の演奏と大きな違いは感じませんでした(気づいたのは第4楽章のホルンぐらいでしょうか。繰り返しを省略していたのも最近にしては珍しい?)。”版”の問題は私はぜんぜん詳しくないですが、どの楽譜を使うにしてもやはり曲のエッセンスは変わらないと思いますし、楽譜の音符に内包された”音楽”をどう伝えるかが大事なんだと思います。
小泉さんの演奏は、ひとことで言えば直球勝負。余計な味付けはしません。新響も非常にやる気があり、熱気を感じます。欲を言えば、もう少し全体の音色に注意を払ってくれたらなぁ。強奏時にやや粗さを感じました。しかし、終楽章は演奏のボルテージも一段と上がり、迫力のある演奏でした。拍手に応える小泉さんも全力を出し切り満足そうでした。
- 10月26日(日)江戸川区総合文化センター大ホール
江戸川フィルハーモニーオーケストラ 第8回子供と親のためのコンサート
チャイコフスキー:バレエ組曲「白鳥の湖」より@情景,A白鳥の踊り,B情景,Cワルツ,Dスペインの踊り
ホルスト:組曲「惑星」作品32より<木星>
アンダーソン:「ワルツィング・キャット」,「シンコペイテッド・クロック」
木村弓:「いつも何度でも」
ヘンリー・クレイ・ワーク:「大きな古時計」
アメリカ民謡:「森のくまさん」
杉本竜一:「BELIEVE」
指揮:小泉和裕
バレエ:佐藤崇有貴 平塚由紀子バレエスタジオ
合唱:江戸川区少年少女合唱団
お話:早川史郎
友人の所属する江戸フィルの演奏会。子供と親のためのコンサートは、1〜2年に1回、開いているそうで私は今回初めて。12:30からと15:00からの2公演あるにもかかわらず、会場に着くと長い行列。1階席は満席のため3階に回されるがこちらもほぼ満席に近かった。子供がいっぱいで賑やかだ。
最初はいつものように江戸川区歌の演奏。今日は何と合唱団付きなので歌詞が初めて聞けました。(少々聴きづらかったものの・・・。)気になったので、後日インターネットで探してみたら、江戸川区のホームページに載っていました(→歌詞はこちら。音も聴けます。)。原曲ももちろんいいですが、いつも演奏される管弦楽版は名編曲です。(編曲者はすずきこういちさん?)
さて、次の白鳥の湖はバレエの実演付き。「情景」はやはり至上の名曲。「白鳥の踊り」はバレエスタジオの生徒さんの優雅な踊り。「ワルツ」、「スペインの踊り」ではバレエスタジオの先生によるオデット姫とジークフリード王子。さすがにうまい。見るものを惹きつける。
休憩を挟んで、後半。ホルストの「木星」は健康的な演奏。続くアンダーソンは、私が好きな作曲家。ワルツィング・キャットでは、最後に犬が吠えるところがありますが、男性の楽員が一人、吠えておりました。ちなみに、私の左に座っていた小さい女の子、前半は音楽などまったく興味ない様子でごそごそしていて、お母さんから「ほら、ちゃんと聴きなさい!」と言われていましたが、アンダーソンの音楽になったとたん、手で拍子をとりはじめました。アンダーソンの音楽は子供にも大人にも楽しめる音楽。今日のようなコンサートには最適だと思いました。
映画「千と千尋の神隠し」の主題歌である「いつも何度でも」は、2本のフルートとハープによる演奏。
残りは”みんなでうたおう”コーナーということで、オーケストラに合わせて歌います。「森のくまさん」なんて小学校以来でしょうか。(大学のときにあれの替え歌で一気飲みなどしましたが・・・。)最後はアンコールということで、映画「となりのトトロ」から「さんぽ」。これは小さい子はみんな知ってますね。(実は私も好きな歌ですが。)会場の声もひときわ大きく、盛り上がりました。ナレーションの早川さんはNHKにも出演されているようで、落ち着いた語り口はなかなかよかったです。
小さい子供が入れるクラシック・コンサートはあまりないので、こういった企画はすばらしいと思います。改めて江戸川区の文化度の高さを知りました。終演後、会場を出るとすでに次の2回目の公演の長い行列ができていました。
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