最近行ったコンサート
2004年1月
- 1月24日(土)学習院創立百周年記念会館・正堂
豊島区管弦楽団第57回定期演奏会
ニールセン:序曲「ヘリオス」作品17
グリーグ:組曲「十字軍の戦士シグール」作品56
シベリウス:「交響曲第2番」ニ長調 作品43
指揮:山岡重信
今年の初演奏会は、元旦の午前0時に聴いた「第九」の第3楽章だが、実質的には今日のコンサートが初となります。シベリウスの2番を久しぶりに聴きたくなって、豊島区管弦楽団の演奏会に出かけました。学習院は初めて。ホールは2階席もあるなかなか立派なもの。
指揮者の山岡さんは御歳72。小柄だが矍鑠(かくしゃく)とした雰囲気。「ヘリオス」は初めて聴く。ヘリオスとはギリシャ神話の太陽神の名前だという。冒頭の低弦の響きに乗って、日の出を思わせるようなホルンが朗々と鳴る。リヒャルト・シュトラウスのアルプス交響曲の冒頭を連想させるが、あれより抽象化・象徴化されている。曲全体が大きなクレッシェンドとデクレッシェンドで出来ているような印象。密度の濃い力作だと思う。グリーグは、「王の広間にて」,「ボルグヒルの夢」,「忠誠行進曲」の3曲が演奏された。この中では忠誠行進曲が迫力もあり、聴き応えがあった。オーボエのソロが絶品。山岡さんの指揮もスムーズでさすがベテランと思わせた。
さて、後半のシベリウス。第1楽章の出だしはなかなかよい。ちょっとアクセントが強いかなと思う箇所はありましたが。第2楽章、ティンパニのトレモロに乗ってコントラバスのピチカートが出ますが、かなりテンポが遅い。しばらく弦楽器のピチカートとなりますが、こんなに長かったけ?と思うほど遅い。通常の2倍くらいの速度。続く木管のフレーズも同じテンポのままでびっくり。しばらくするとスピードはあがりましたが、再びスピードダウンするなど、聴いているだけでちょっと疲れてしまいました。遅いにも程があります〜。これで何かしら表現するものが伝わってくればいいのですが、残念ながら全体の統一感が損なわれていて、失敗でした。。第3楽章も遅めですが、第2楽章に比べれば何とか許容できるもの。第4楽章に入るとだいぶまともになって、有名な主題は弦楽器も美しく、とてもよく歌っていました。何だ、ちゃんと演奏できるじゃない!と思ってしまいました。最後のコーダは遅めのテンポが功を奏して、壮大な音楽となりました。
いやいや、楽員の方々は本当にお疲れさまでした。珍解釈にもかかわらず、演奏はよく揃っていて、努力の跡がうかがえました。山岡さんはいつもこのような個性的な演奏をしているのでしょうか?場合によっては、超名演になりそうな気もしますが・・・。
- 1月24日(土)大田区民センター音楽ホール
東京ガルテンシュタット管弦楽団第46回定期演奏会
ウェーバー:「ファゴット協奏曲」ヘ長調 作品75
ラフマニノフ:「ピアノ協奏曲第3番」ニ短調 作品30
シューマン:「交響曲第3番」変ホ長調<ライン> 作品97
ファゴット:蛯澤亮
ピアノ:安部可菜子
指揮:末永隆一
東京ガルテンシュタット管弦楽団の演奏会は久しぶりである。調べてみると、2001年6月以来だから2年半ぶり。そんなに経ってしまったかという気がする。(ちなみにこれまで第36回、第37回、第41回を聴いています。)でも、会場は変わらず古びた大田区民センター。入場無料なので受付もなく、プログラムも入り口に置いてあるのを自分で持っていくスタイルもそのまんま。でも何かこの庶民的な雰囲気が私は非常に好きなのです。
今日はなかなか盛りだくさんのプログラム。最初は、珍しいウェーバーのファゴット協奏曲。聴くのは初めて。演奏の蛯澤さんは国立音大の3年生とのことでとても初々しい。曲は典型的な初期ロマン派の協奏曲といった感じで、ファゴットだけに演奏効果も少し地味ではありますが、技巧的にはかなり難しそうでした。蛯澤さんはさすがテクニックもすばらしく、乗りのいい演奏をされていました。でもファゴットって、聴いているだけでは分からない演奏の難しさがたくさんありそうです。
次はラフマニノフ。ピアノの安部さんは、ピアニストの仲道郁代さんを思わせるような美貌。小柄な方なので、この大曲をこなせるのか?と心配になりますが、出てくる音は実にしっかりしたもの。印象をひとことで言えば、「清潔」ということになるでしょうか。音はクリア、拍感が正確で、快感と言えるほど安定しています。テクニックも見事で、この難曲をやすやすと弾いているように見えます。一つ難を言うとすれば、フォルテが少し弱いかなという気がしますが、そもそも音の大きさで聞かせるようなピアノはこの方のスタイルではないとも思います。(そういう点では、同じピアノでモーツァルトや、シューマンのピアノ協奏曲を聴いてみたいなぁ。きっと名演のはず。)以前に別の演奏会で聴いたときは、逆に迫力で聴かせるタイプの演奏で、やや耳に刺激的で疲れた記憶がありますが、今日は疲れず退屈することもなく、この曲を満喫できました。オーケストラは技術的に必ずしも快調というわけではありませんでしたが、ピアノとはよく合っていて、さすが末永さん!と思いました。(実は最後まで通して演奏できたのはこの本番が初めてだったそうです。)
さて、後半はシューマンの「ライン」。冒頭のティンパニが小気味よい。アンサンブルも前半よりずいぶん良くなりました。このオーケストラは編成は小さめで、ラフマニノフはちょっと苦しかったが、シューマンにはこれくらいがちょうどいいと思います。ティンパニ奏者の方はこのオケの団長さんでしょうか?以前来たときもそうでしたが、やる気満々で、休憩時間も音の調整に余念がありませんでした。このティンパニが演奏全体を引き締め、音楽が生き生きとしているように感じます。末永さんとの息もぴったりで、久しぶりにアマチュアならではの熱気を実感。
みなさん、本当にいいお仲間ですねー。これこそ真のフィルハーモニカー(音楽愛好家)ですね。また次回もぜひ行きたいと思います。
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