最近行ったコンサート
1999年6月
- 6月5日(土)熊本県立劇場コンサートホール
長崎大学管弦楽団
熊本大学フィルハーモニーオーケストラ
熊本学園大学グリーンフィルハーモニックオーケストラ
3大学合同オーケストラジョイントコンサート
指揮:福田隆
ブラームス/大学祝典序曲
チャイコフスキー/幻想序曲「ロメオとジュリエット」
カリンニコフ/交響曲第1番
九州に行ったついでに行ってみたコンサート。"Freude"のページから事前に情報を得ました。本当にアマオケ・ファンにはありがたいページです。会場の熊本県立劇場は、石造りを思わせる重厚な雰囲気で、東京文化会館に雰囲気が似ている。建物から見て、最近できたばかりという感じはなく、わりと歴史があるホールに見えた。
さて、長崎大学、熊本大学、熊本学園大学の3大学の初めての合同演奏会。共通点は、指揮者の福田氏がそれぞれの顧問をしているとのこと。最初の大学祝典序曲はちょっと音楽が硬かったが、ロメオとジュリエットではかなり盛り上がった。演奏とは関係ないが、この曲、メロディーメーカーのチャイコフスキーらしく、魅惑的なメロディがいくつか出てくるが、全部で約20分を要し、やや冗長な面がある。特に最初の暗い序奏の部分はもったいぶりすぎ!はやく次のテーマよ出てきておくれ!といつも思ってしまう。
さて、交響楽団の演奏会の目玉はカリンニコフの交響曲第1番。カリンニコフ(1866-1901)はロシアの作曲家。プロでも滅多に演奏されない珍しい曲。(数年前にN響でやりましたね。アマチュアでは97年に東京工業大学管弦楽団がやっています。両方とも行ってませんが。)CDはOLIMPIAから出ているドゥダロヴァ指揮(珍しい女性指揮者)ロシア交響楽団の交響曲1・2番が入ってるのを持ってます。最近ではNAXOSから出ていて、わりと簡単に手に入るようになったようです。
冒頭から流れるような叙情的なメロディ、それに続いてチェロによってメインテーマが登場。これは一度聴いたら忘れられないような民謡チックな甘いメロディ。そのあとの展開も決して飽きさせない。第2楽章は冒頭のハープがとても印象的で、そのまま映画音楽になりそうな美しい曲。第3楽章のスケルツォもはつらつとしていて気持ちいいし、終楽章も最後はちょっとしつこいが、華々しいコーダで盛り上がって終結。ロシアには交響曲作曲家がたくさんいますが、メロディはいいけど構成力がなくだらだらした曲が多いという印象があります(私だけ?)。しかしこのカリンニコフはメロディもいいし、わりと構成も明快で、さっぱりした感じで飽きずに聴けました。その夜はずっと第1楽章の主題を口ずさんでしまったほどです。演奏もかなり盛り上がり、金管はかなり迫力がありました。
これだけの名曲を捨てておくにはもったいないと思います。さすがにチャイコフスキーには及びませんが、分かりやすい曲なのでアマオケにとっては演奏しやすいのではないかと思います。ちなみにCDで聴いた交響曲第2番も1番と似た雰囲気で同じく聴きやすい曲です。ほかにどんな曲があるのか知りたくなりました。
- 6月6日(日)アクロス福岡シンフォニーホール
福岡コール・フェライン&福岡男声合唱団
創立15周年記念演奏会
ソプラノ:大倉由紀枝/テノール:五郎部俊朗/バリトン:大島幾雄
指揮:荒谷俊治
福岡OB交響楽団
ムーゼン・クランツ福岡少年少女合唱団
モーツァルト/「聖歌集」<聖母マリア様>K.273,<神よ哀れみよ>K.222,<アヴェ・ヴェルム・コルプス>K.618
スウェーデン民謡/<おい、酒を飲もうよ>,<僕たちの牧場に>,<スズラン王>,<娘の踊り>,<おろか者>
オルフ/「カルミナ・ブラーナ」
アクロス福岡は、福岡の中心部天神にあるオフィスやホールが入った複合施設。ホールは、全体に木材を使用したかなり立派なホール。天井から下がっているシャンデリアがきれいでした。
最初は混声合唱によるモーツァルトの聖歌集。有名な「アヴェ・ヴェルム・コルプス」もよかったですが、2曲目の「神よ哀れみよ」もとても美しい曲でした。次に男声合唱によるスウェーデンの民謡集。歌詞は分かりませんが(パンフレットに対訳が付いていましたが)、男声の朗々とした声も魅力的だと思いました。
後半はいよいよメインの「カルミナ・ブラーナ」。CM等にも使われて有名な冒頭はやはり迫力がある。曲は中世の修道士による世俗詩歌集をもとに、全部で24曲からなっている。それぞれ、性格の違う音楽となっているが、歌詞が理解できない(対訳を見れば分かるが、聞いたものを直接理解できないという意味で)ので、少々もどかしいのも事実。音楽的に印象に残ったのは3、4曲。しかし、合唱団に加え、ソリストに豪華メンバーを揃えた演奏は聴きごたえがあった。オケは福岡市内の大学オケのOBが中心となっていて、こちらも力演であった。特にさまざまな打楽器が活躍するパーカッション・セクションが印象に残った。
- 6月12日(土)パルテノン多摩
電気通信大学管弦楽団
白百合女子大学アンサンブル・リスブラン
第15回ジョイント・コンサート
チェロ:宮澤等
指揮:新通英洋
チャイコフスキー/バレエ組曲「白鳥の湖」作品20より 情景/ワルツ/ハンガリー舞曲
エルガー/チェロ協奏曲作品85
チャイコフスキー/交響曲第4番ヘ短調作品36
パルテノン多摩は家から一番近いホールだが、ここに住みはじめてから1年、なぜか1度も行ったことがなかった。今日のコンサートはプログラムがとてもいい。特にエルガーのチェロ協奏曲は最近そのすばらしさに開眼しただけに、楽しみに出かけた。
指揮者の新通氏は大友直人氏に似ている(・・・と私は思う)。とてもエネルギッシュな指揮をする人で、からだ全体で音楽している。こころから音楽を愛しているのがひしひしと伝わってくる。この指揮ぶりを見たら演奏する方も思わず引き込まれてしまうに違いない。
テンポ感がよく、引きしまった「白鳥の湖」に続いて、エルガーの「チェロ協奏曲」。チェロ独奏は、このオケの低弦トレーナーでもある宮澤氏。いきなり独奏チェロが登場する冒頭はなかなかかっこいい。そして偉人をたたえるかのような朗々としたメロディー。ぐっと心に響きます。宮澤氏のチェロは、まるで自分で書いた曲であるかのようにこころを込めて弾いているのが印象的でした。オケの伴奏も切れ味が良くてよかった。それにしても渋くてこころに染みる曲ですね。僕はドヴォルザークのチェロ協奏曲よりもこちらの方がずっと好きです。
後半はチャイコフスキーの4番。僕はチャイコフスキーの交響曲の中ではこの4番が一番好きなのです。はじめは金管がちょっと不調ぎみでしたが、アンサンブルはよく、練習のあとがうかがえます。新通氏の指揮は、歌うところはじゅうぶん歌わせ、盛り上がるところはテンポを上げて盛大にやるという自然体の指揮ぶりがとてもよく、終楽章は全員が全力を出しきっての熱演。とても胸のすく演奏でした。
アンコールは、ヨハン・シュトラウス世の「雷鳴と電光」。いけいけの演奏で、大満足。指揮者の満足げな顔と楽員の笑顔が印象的でした。次の演奏会も行けたら行ってみようかな。
- 6月13日(日)カザルスホール
瀬崎明日香ヴァイオリン・リサイタル
ヴァイオリン:瀬崎明日香
ピアノ:迫昭嘉
シューベルト/ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ ニ長調D.384 Op.137-1
ウェーベルン/4つの小品作品7
ベートーヴェン/ヴァイオリン・ソナタ第5番ヘ長調作品24「春」
イザイ/無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番イ短調作品27-2
プロコフィエフ/ヴァイオリン・ソナタ第1番ヘ短調作品80
友人に誘われて、ヴァイオリンのリサイタルに行ってみた。いつもオーケストラのコンサートばかりなのでたまには室内楽もいい。正直言って、私はヴァイオリンにはかなり疎く、今日のプログラムで知っているのはベートーヴェンの「春」ぐらいである。瀬崎明日香という人も知らない。ピアノの迫昭嘉は名前だけ知っている。
最初のシューベルトの曲はとても素朴な曲で、深みはないが、耳触りのいい曲。つぎは一転してウェーベルン。点と線だけで描かれた絵を見るような感覚。ウェーベルンの曲は短い曲が多いが、一音一音の密度が非常に濃く、その張りつめた緊張感には驚かされる。演奏も、緊迫感がこもり、一瞬会場の空気が凍りついた感じであった。そして次のベートーヴェンでまた平和な世界に戻る。有名な第1楽章もいいが、昼下がりの春の野道を散歩するような第2楽章もとてもいい。瀬崎のヴァイオリンはやや線が細いものの、鋭敏で力強い。
そして後半。瀬崎の本領が発揮されたのはここからだった。まず、イザイの無伴奏。ステージに現れたときから緊張が漂っていた。しだいに技巧的になっていく音楽に、瀬崎は臆するどころかますます情熱を発露し、曲に食って掛かるような勢いであった。圧倒的な演奏を前に、演奏後の拍手はとくべつ盛大であった。つづく、プロコフィエフ。最初から最後まで技巧の限りを尽くした壮絶な曲であった。しかし瀬崎のテクニックはより冴えわたり、曲に果敢に立ち向かう姿は男顔負けと言っていいほど。そして、第1楽章で曲がクライマックスに達したところで、「バチン!」という音が・・・。そう、あまりの激しい演奏のために弦が切れてしまったのだった。ピアノの伴奏も止まった。2人は一旦ステージを下がったが、しばらくの後、無事登場。ふたたび演奏再開。
しかし瀬崎の激しさはいままで以上で、また切れてしまうのではないかと心配するほど。最後まで、激しい音楽と激しい演奏で圧倒されっぱなしであった。私はヴァイオリンがこんなに多彩な表現ができる楽器だとは知らなかったし、プロコフィエフがこんな狂気じみた(天才的にという意味で)音楽を書いていたことにも驚いたし、瀬崎明日香というすごいヴァイオリニストがいることも初めて知ったのであった。こんな難しい曲を難なく弾ける人は多くはないだろう。恐らくプロコフィエフがこの演奏を聴いたら喜んだに違いないと思えるほど。
すばらしかったが疲れる演奏会であった。彼女はすごい。
- 6月18日(金)中野ZEROホール
日本大学管弦楽団 第55回定期演奏会
指揮:高石治
ヨハン・シュトラウス世/喜歌劇「こうもり」序曲
シベリウス/カレリア組曲作品11
ドヴォルザーク/交響曲第9番ホ短調作品95「新世界より」
日大のオケと言えば、2年半前のコバケンの「幻想」がいまだに忘れられないでいる。そのあとも1回行ったが、そちらの方の印象はあまり残っていない。今日の指揮はこのオケと最も関わりの深い高石氏。
「こうもり」序曲は非常に精密なアンサンブルが印象的で、指揮者の手腕をかいま見ることができた。カレリア組曲はもやのかかった冬の湖を連想させるような2曲目と夏祭りのような賑わいの3曲目の対比がおもしろい。演奏は「こうもり」に較べてやや音が濁り気味のようであった。
後半の「新世界より」は、正確なティンパニと金管がいい。特にトランペットは明るく、きれいな音でとても惹かれた。また、第2楽章の有名な旋律を吹くイングリッシュ・ホルンも心の底から音を出していて美しかった。高石氏の指揮は、緩急の付け方もわりと自由で、好感が持てた。が、よくも悪くも手堅い演奏で、プロ相手の指揮ならこれでいいが、アマチュアならではの音楽を表現するという点で、やや物足りなさがあった。まあ、でもこれが高石流なんだろうなぁ。
アンコールはヨハン・シュトラウス世の「雷鳴と電光」。先週の電通大のときもこれであった。梅雨のシーズンということで6月のコンサートで流行っているのだろうか!?しかも今日は、トランペッターが傘をさし、雷鳴に合わせてフラッシュがピカッと光るなど、演出付き。最後はテンポを速めて爆発しました。めでたし、めでたし。
次回の演奏会はついにコバケン登場!12月15日(水)にチャイコフスキー4番。行きたい!!!
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